7日開催の市議会議会運営委員会と全員協議会で、昨年矢代地区で行われた農業用水路の工事に際し、丸山義忠市議が市役所職員に事実と異なる書類を書かせ、大江口土地改良区から本来の金額より多く補助金を得たことが判明しました。
午前中の全員協議会で丸山市議は「地域の用水整備を集落に安い負担にしたい・・・と思って、やってしまった。まことに申し訳ありません」と深々と頭を下げ、陳謝しました。



市では、集落などが行う農道や用水整備などに対し「むらづくり農業基盤整備事業」を設け、支援を行っています。支援内容には、工事資材の原材料支給と工事にかかる相当額を補助金として支給する2種類があります。大江口土地改良区では、市の補助内容が書かれた文書を参考に、集落の負担軽減のため独自の補助を行っています。市から原材料支給を受けた際は、相当額の40%を支給。補助金交付を受けた場合は、同額の補助金を支給しています。
今回判明した不正行為は、本来原材料支給で実施した事業であったにも関わらず、市から補助金を得たものとする虚偽の文書を作成し、大江口土地改良区から不正に約20万円多く補助金を得ていたものです。この不正行為は、11月中旬に大江口土地改良区から市へ問い合わせたことをきっかけに判明しました。

文書の偽造は平成18年・19年度に事業採択を受けた矢代地区の4件の工事で行われ、いずれも丸山市議が関与していました。このうち平成18年度分は、本来の額より約20万円多く補助金が支出されていました。平成19年度分は支出されていません。

市の説明では、文書の書きかえについては、議員からの依頼であったため、市職員は用途の確認や上司への報告をせず、市から補助金が支給されたように書きかえた文書を渡しました。

この件について大江口土地改良区の吉川幸治参事は「事実確認はほぼ完了し、今月19日の理事会で対応を決める。利子を含めた金額の返還や一定期間の補助金の凍結などを協議する。土地改良区は組合員の賦課金で成り立っている。賦課金に不正支出があった事は残念でならない。今後は厳重なチェックを行いたい」と話していました。
取材に対し、入村明市長は「丸山市議は議会人としてあるまじき行為で責任を明確にするべき。市職員については、いかなる立場であろうともあるまじき行為で、管理監督責任を含め責任を明確にする。市民に対してはご不審を与え、信頼を損ねたことをお詫びしたい」と語りました。
また議会運営委員会や全員協議会の中で、丸山敏夫農林課長は「自らの管理監督責任を感じている」と述べたほか、担当の市職員の処遇について市川達孝総務課長は「現在職員への事情聴取をしており、全容が明らかになる中で対処したい」などと陳謝しました。
また佐藤栄一市議会議長は議員に対し「市民から選ばれた議員は情報を得やすい立場である。議員として自覚した活動をしてほしい」と述べていました。


この件を協議するため、市議会では引き続き午後にも全員協議会などを開き、丸山義忠市議は欠席しました。この際、一部報道にある議員による強要の有無について丸山農林課長と市川総務課長は「議員からの頼みで断れなかった。議員の立場を利用した強要であるとの認識を持っている」と答えていました。なお担当職員との接触は農林課の事務室で行われ、特定の場所に呼び出すような行為ではなかったといいます。
議員の間からは「本人から事情聴取をするべき」「小委員会を作って対応を検討してはどうか」「安易な事例を作るべきではない」「場合によっては辞職勧告も視野に入れないといけない」などと、議員の処遇について様々な意見が出されていました。

なお、この日、佐藤議長、作林一郎議会運営委員長、丸山市議が所属する会派・妙高市民クラブ代表の山川香一市議の3人が丸山市議と面談し、議会内の雰囲気を伝えました。面談の状況については、改めて来週の10日(月)に開く議会運営委員会と全員協議会で報告され、議会としての対応を考える予定です。

(この話題は、12月7日(金)午後0時30分、午後6時45分の放送でお伝えしました)